壊れた万年筆、修理復活方法
壊れて使えなくなった万年筆とは
- ペン先が曲がってしまっている
- 多くの場合は軸のネジ部分が割れて部材無くなっている
- インク吸入パーツ、中のスポイドが飛んでいる
- 先だけ残っていて、後は無い
などですが、ほとんど修復できます。
今回は先だけ残ったパイロット万年筆の60年ほど前の代物です。
水牛無垢削り出し軸の万年筆、先はパイロット
今、愛用しているペンです。
首(ペン先のある方)は、何十年も前に壊れていましたが、母が使っていた唯一の万年筆なので捨てずにパーツ箱の中に入れておきました。母が使ったのは後にも先にもこの万年筆だけです。誰かに頂いたのか、、
その先部分を他の万年筆のボディー(軸)にうまく収めることが出来たので、気をよくして使っています。
このピンクのペン先はPILOT製で、母が使っていた年代から推測すると昭和30年ころのものです。
当時はカートリッジとかは無く、スポイド式吸入方式でした。中のゴムはボロボロになっています。
無理やりカートリッジをはめ込んで使っています。
首の根元のネジの部分が割れて使えなくなっていました。サイズの合ったアルミパイプをはめて接着して、後はこれに合う軸を探すだけです。
ここまでは、合う太さの真鍮かアルミの肉うすパイプを手に入れれば、2液混合エポキシ接着剤で固めて完了です。
キャップも残っています。クリップにスプリングが効いてとてもいいです。
でも、この水牛軸ボディには使えません。
軸とペン先部を接着していいなら話は簡単なのですが、インク交換でどうしても取り出す必要があります。
ゆるいとグラグラして使い物になりません。少しゆるいくらいなら、セロテープを巻いてキッチリになるようにします。
軸はカトウ製作所カンパニー製、社長に作ってもらいました
万年筆マニアなら知らない人はいない、カトウ製作所という町工場が大阪にありました。
当時ステーショナリの販売企画に万年筆をアイテムとして加える段取りしていたので、カトウ製作所にはよく行きました。
親しくして頂いてある日、加藤社長が 「大野さん、これ本ものの水牛の角から削り出したんだよ」といって私に下さいました。当時でも本ものの象牙、水牛など 入手困難で、万年筆としても10万円以上はします。
ペン先はデカイ14金の、これまた○○さんという職人が作ったものでした。黒の首部はエボナイトです。
ただ私は古典的な剣型のペン先は好きではありません。ましてこの写真のように根元に出っ張りがあるものは、どうしても使うとなると削り落として使うくらい、嫌です。
今回、母の思い出のペン先と加藤社長の水牛ボディをうまく合わすことができたので、再び息を吹き返したPILOTで、ちょっとメモ書きなどに愛用しています。
このペン先の形は好きです。書き味、持ち心地もいいです。
このペンの思い出の母は30歳半ばくらいです。
このペンを握った時、そんな母の感触が伝わってくるのです。
傍にいて見守ってくれているようで、すごく孤独を癒してくれます。
万年筆は他の筆記具と違って、この様な感傷がついてまわります。
恋文書いたとか
論文書いたとか
昔を思い出して 日記帳 を書く気になった時も万年筆です。
古い箱の底の方に転がっている万年筆見つけたら、修理して復活させてあげましょう